「今日は満月だねぇ」
「ですね」
「あーあ、こんなに綺麗なのに、誰かさんがあいらぶゆーに『月が綺麗ですね』なんて訳をつけるから、気軽に月を褒める事も出来ない」
「そうですか?」
「うん、だからさ、『月が綺麗ですね』」
「…」
「君はどう思う?」
「…こんなに綺麗なら、今死んでも後悔しないです」
「そっか、それは嬉しいなぁ、でも、私は今死んだら後悔しちゃうかも」
「また来年も、こうして一緒に月を見たいから」
「…来年だけですか?」
「え?」
「ずっと、一緒に見ましょう」
「…そうだね、まだまだ後悔しちゃうね」